★あらすじ ※オペラ「夕鶴」のストーリーは、要は「鶴の恩返し」である。
昔々ある田舎の雪の中の村での物語。
気の良い純朴な与ひょうは、美しい妻のお通と幸せに暮らしていたが、つうが織る千羽織布が都で高く売れるのに目をつけた強欲な二人の男、惣どと運ずは、与ひょうの純朴さにつけ込み、つうにさらに布を織らせ大儲けをしようと企む。
狡猾な二人は、どうして与ひょうにつうのような美しい女性が嫁にしてくれと言うのか不思議に思い、つうの素性に興味を持ち与ひょうに尋ねると、以前矢がささって苦しんでいた鶴を助けた少し後につうが来たという。
惣どがつうの機屋に鶴羽が落ちていたのを見つけて、さらにつうが布を織るごとに痩せていくと聞き、惣どと運ずは通が鶴の化身では?と疑念を抱く。
始めは二人の話に耳を傾けなかった与ひょうも、だんだん二人に唆されて巻き込まれていく。一方つうは愛する夫が物欲の虜となり、少しず別世界の人になっていくのを嘆き悲しむ。
しかし与ひょうへの愛ゆえに、自分の生命を危険にさらし痩せ細ることもいとわず、機屋の中を絶対に覗き見ないことを彼に約束させて、つうは新しい布を織ることを決意する。
ところが惣どと運ずは部屋を覗いて驚愕する。機屋にはつうでなく鶴が羽を口に加えて機を織っていた!最初はかたくなに覗かなかった与ひょうも二人につられて誘惑に負けて約束を破り、中を覗いてしまった。
正体を愛する人に見られてしまった鶴は、もはや人間の姿でいることはできず別れなくてはならない。一枚でも痩せ細るのにつうは今回が最後とニ枚織り、一枚を与ひょうに手元においておくように言い残し、涙と
ともに別れを告げる。
ほどなく与ひょうたちは、一羽のやせ細った鶴が名残惜しそうに飛んでいくのを見るのであった…
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